当研究所が設置されている法政大学理工学部機械工学科,航空・機械音響研究室では,これまでに以下のような研究を実施してきました.

LSAカテゴリーの調査

2012年から2014年にかけて,欧米のLSAカテゴリーの枠組みおよび運用に関する調査を行いました.その成果の一部を,航空宇宙学会2014年度飛行機シンポジウムにて発表いたしました.

LSA ML-11

LSAの設計・試作

2011年から現在に至るまで,LSAカテゴリーに準じる小型航空機の設計・試作・評価を行っております.2011年から2013年にかけて,コンベンショナルな全金属製LSA(呼称ML-11)を設計,模型の製作,実機主要構造を試作いたしました.2015年には,電動ダクテッドファン(EDF)を双発とした電動LSA(呼称ML-15)を設計し,機体やEDFの流体シミュレーションや構造検討などを実施しました.2016年には,電動航空機の操縦性設計を実施(呼称ML-16e),また2017年には,ML-15をベースに1/4機体模型の製作,1/1キャビンモックアップを製作しました(呼称ML-17).これらを通じて,UAMの一翼を担うであろうLSAおよび電動航空機の安全性や飛ばしやすさについての知見を得ることを目指しております.

 

LSA ML-17

 

実機を用いた研究

当研究室では,実験用のモーターグライダー(Diamond Aircraft HK36 Super Dimona)を1機保有しており,主体的に実機による実験・研究が可能です.これまで,この機体を用いて,縦横の運動モード測定による小型機の操縦性(飛行性)の評価,パイロット操縦支援ツールの試作,パッシブレーダーによる小型機の運航監視(電子航法研究所様との共同研究),3D地上計測システムの試作(中日本航空様との共同研究)などを実施して参りました.実際の機体を用いた研究では実践的なノウハウを蓄積することができ,UAMに不可欠な「安全運航」を常に意識した研究に取り組んでおります.

Diamond Aircraft HK36 Super Dimona